生き残ったプライスライン、現在売上16億ドル
プライスライン、ご存知ですか?
「ああ、あれか。その後どうしたんだろう」と思った方はネットマニアですね。
実は、あのプライスライン。今絶好調なんです。毎年16億ドルの売上、6億ドルの利益。社員は1324人で、一人当たり売上は190万ドルにのぼっています。グリーが154万ドルですからそれを上回っています。
プライスラインをご存じない方に説明するとフライトチケットやホテルなどを自分で値付けして、その値付けを相手が受け入れればめでたく交渉成立。破格の値段でサービスを利用出来るというわけです。
大きな特徴は、サービス提供先が匿名であること。値段が安い代わりにどこの航空会社かどこのホテルかはサービス利用者からは分からないのです。
実はこれがプライスラインの大発明、そして今日まで生き残っているビジネスモデル。『スマート・プライシング』では次のように説明されています。
プライスラインの不透明な販売方法は、特定のタイプの顧客、すなわちオファーについての重要な情報を知らないまま前払いするリスクをいとわないほど価格を重視するバーゲン・ハンターだけを選び取る、新しいタイプの選別メカニズムの役割を果たしたのだ。(『スマート・プライシング』)
商品のブランド名や他の特性を隠すという手法は、直接的な比較購入を難しくし、そのおかげで売り手は自社のブランド商品に引き続きプレミアム価格をつけることができた。(『スマート・プライシング』)
航空会社は早割などを通じて自社で需給調整を行っています。ただ痛いのは自分たちのブランドで安いチケットを販売しないといけないところ。ホテルも同じですよね。
でもプライスラインを通じて販売すればブランドを安売りせず、高い価格でもOKな人には高い価格で、安い価格じゃないとだめな人には名前を伏せて提供できる。効果的に売上を確保できるというわけ。
サービスモデルの勝利ですね。
プライスライン
http://www.priceline.com/
- 作者: ジャグモハン・ラジュー,Z・ジョン・チャン,藤井清美
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2011/07/07
- メディア: 単行本
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