川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

費用対効果の高い読書生活を送るために。並のビジネスパーソンの50倍月500冊を読む元外務省主任分析官佐藤優さん『読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』。

元外務省主任分析官佐藤優さんの『読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』。標準的なビジネスパーソンが熟読できる本が多くても10冊に対して、佐藤さんは月平均300冊、多いときは500冊以上を読む。そのノウハウが披露されています。

 

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門

 

読書で大切なのは、自分の知識の欠損部分を知り、それを補うこと。基本を固めなければ応用問題は解けない。そして熟読ができなければ速読はできない。この二つがとても印象的なはじまりかたです。

 

佐藤さんが提案する熟読の技法はつぎのようなもの。

  • 本の真ん中を読む。真ん中は本の一番弱い部分でここをつまみ読みすることでその本の水準を知る。
  • シャーペンで重要な記述に線を引きながら読む。特に重要な部分はページの端を折る。
  • 同じ本を3回読む。一回目は線を引きながら通読、二回目はノートに重要書を抜き書き、最後に再度通読する。
  • 一回目に線を引いた部分で特に重要と思う部分を線で囲む。
  • 囲み部分をノートに写す。欄外に「わからない」「〇〇の言説と対立」などと書きこむ。読者自身の評価をノートに記すことで記憶を定着させ、理解を深める。
  • 目次の構成をよく頭に叩き込んだうえで、結論部を3回読む。

 

読書で理解を深め、知識を自分のモノに定着させるために、ノートが重要。ではその読書ノートの作り方とは?

 

  • 30分なら30分、1時間なら1時間と自分で時間を決め、それ以上時間をかけない。
  • 大切なのは正確な形でデータを引き出せることと、積み重ねた知識を定着させること。完ぺきなノートを作ることではない。

 

若手ビジネスパーソンが苦手とする政治・経済。これを勉強していくためには?

  • テーマを決める。今、または将来必要となる事項がテーマとなる。
  • 事実を知る。『日本国勢図会』『世界国勢図会』を参考に。
  • 最新データを知る。インターネットで最新情報を。
  • インタビューをする。自分なりに調べた上で専門家に話を聞く。
  • アンケート調査をする。
  • レポートを書く。
  • プレゼンテーションをする。話のポイントを絞り、レジュメを配り、理解を得る。
  • ディベートをする。

 

文章を読み解くために論理と文脈を押させる必要がある。ではどう抑えるか。

(1)論理的につかむ

  • 人間は先入観をもっているから、客観的に文章を読むのは不可能。
  • 自分の頭を信用しない。
  • 入試問題の文章は論理的である限り1つの結論・主張を形を変えて何度も繰り返す。主張を重ねて理解する。
  • 先入主がおおい隠していた影の部分が光の部分と重ね合わされ、筆者の主張が正しく把握できる。

(2)文脈で固定する。

  • 言葉は個人言語であり、ひとりひとりの感覚や知識の度合いで様々に使われ、状況や場合によって揺れ動く。
  • だから、筆者の個人言語を個人言語で理解しようとしてはならない。筆者の言語は筆者の言語の中でつかむ。
  • それはとりもなおさず、文章の前後関係、つまり文脈から言葉の意味をつかむということである。

 

自分の知識の欠損を補い、読書から自分の知識とするためにノートを作り、文章力を論理と文脈で高めていく。費用対効果の高い読書術を知りたい方にとってはおすすめの一冊です。