川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

ブログと動画広告のこれから

アルファブロガー 11人の人気ブロガーが語る成功するウェブログの秘訣とインターネットのこれから (NT2X)

アルファブロガー 11人の人気ブロガーが語る成功するウェブログの秘訣とインターネットのこれから (NT2X)


アルファブロガーの中で切込隊長がブログと動画、画像の話をしています。大まかにまとめると次のようになります。

  • ブログの中に動画や画像が貼られているケースは日米それ以外の国でもあまりない。
    • ブログは動画や画像との親和性が低い。

  • ブログはテキスト情報が主体となっている。
  • ブログを読む人は、大量のテキストを読みこなせるリテラシーの高い人となる。全体からみてこの層は決して多くない。
  • 面白いブログは読まれるが、面白くないブログは読まれなくなる。結果として特定の定番サイトだけが生き残る。

動画、画像をここであえて出している理由はおそらく「カネの臭い」という奴なのだと思います。ブログにおいてカネを稼ぐのに最も向いている仕組みの一つにアドセンスがあります。最も向いている理由はそらく、切込隊長が指摘しているように、アドセンスがテキストが主体のブログと親和性が高いテキスト広告をコンテンツと関連づけて表示を最適化して(最近は文字の大きさを変えたりしていること等)広告を摂取させる仕組みだからでしょう。

一方で音楽と動画を無料で配信し、広告でまかなうモデルはどのようになっているのでしょうか。

音楽におけるYahoo!ミュージックサウンドステーションでは、視聴専用の小さな画面をポップアップで元サイトから独立させ、その画面で音楽を体験する前や後に広告を差し込んでいます。

動画におけるGyaoは、動画を体験している最中に開いた画面の右側にFlashや動画の広告を差し込んでいます。

聞くところによると音楽や動画に関連した広告のCTRは非常に高いそうです。広告表示方法としてはラジオ広告やテレビ広告のようにコンテンツの間に広告を挟み込む(前後の違いはあるが)方法ですが、ユーザーはインターネットに舞台が変わっても一度慣れた体験だと安心してクリックするということなのでしょうか。

アドセンスは現在テキスト広告が主体ですが、今後イメージ広告(バナー)を展開していくことは発表しています。その先にはFlash等の動画広告も視野に入っているのでしょうか?その際には、切込隊長が指摘するような相性の悪さを変えるような体験を提供できるのでしょうか?

切込隊長の指摘を受けて、気になっていることをまとめると

  • ブログはこれからもテキストを主体としてこれからも発展するのか
  • ブログは動画や画像を取り込むことができるか
  • ブログと動画、画像の相性の悪さはインターフェイスの悪さだけの問題ではないか?
    • 従来の写真サービスにタグ機能と素晴らしいインターフェイスとコミュニティ要素を強力に付加したことで成功したFlickrのように、ブログも動画、画像をしっかり取り込め、これらを視聴に耐えられるようなインターフェイスを提供できる可能性はあるのではないか?
    • FlickrGyaoの独自の発展を観ていると動画や画像はそれ単体で成長していっている。逆に彼らが主体となり、ブログと親和性が高いインターフェイスを提供するかもしれない。
  • ブログは個人の情報発信の場としての位置を保ち続けることはできるのか
    • それとも基本非公開のmixiやYahoo360のようなSNSが動画や音楽のファイル共有機能と情報発信機能を備えていき、ブログを食うのか?
    • 現在動画、音楽は作成、発信のコストがテキストと比べると非常に高い。これは創造性の有無を根っことして、制作機材や配信サービスの未成熟などが原因となり発生しているはず。これらの無数のボトルネックは解消されるのか?
    • 解消された場合には、個人が動画、音楽でカネが稼げる土台はできるのか。できるとしたら誰がビジネスモデルを作るのか。

となります。