トヨタ式、キャノン式、アマゾン式
せっかくのゴールデンウィークということで、読書しました。「トヨタ式 孤高に挑む「変革の遺伝子」」「キヤノン式―高収益を生み出す和魂洋才経営」「アマゾン・ドット・コムの光と影―潜入ルポ」の三冊です。
どれもおもしろいですが、アマゾンの本は特にお勧め。
- 作者: 日本経済新聞社
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2005/04/19
- メディア: 単行本
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キヤノン式―高収益を生み出す和魂洋才経営 (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 日本経済新聞社,日経=,日本経済新聞=
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2004/04
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- 作者: 横田増生
- 出版社/メーカー: 情報センター出版局
- 発売日: 2005/04/19
- メディア: 単行本
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トヨタ式、キヤノン式を読み自分が関心を持った点は次の通り。
トヨタ式
- 徹底的な改善を継続的に続ける仕組み
- いつでも巨額の投資ができるようになんと言われようと金を貯め込む
- 配当を厚く行う
- 会社や日本ではなく、世界にいかに貢献できるかを考える
キヤノン式
一方で「アマゾン・ドット・コムの光と影」は完全なドキュメンタリーであり、かつ物流におけるアマゾンと日通の関係を潜入ルポの形式で明らかにしていくものであるから、日経が行ったような全体的な企業分析である前二冊とは毛色が大きく異なる。
しかしながら、アルバイトとしてアマゾンの物流センターに潜入し半年に渡り生の現場で働いたことによるレポートは非常に生々しいものであり、これまで出版されてきたアマゾン関連書籍の「アマゾン礼賛」によった姿勢とは一線を画している。
アマゾン式
- アマゾン本社の社員、アマゾンジャパンの社員、日通の社員、アルバイトという明確な階層を作る。
- 物流に関して徹底的なコスト管理を行い、コスト削減を行う。
- 自動化するところはすべて自動化。ただし自動化してもコストが高くなる自動化は行わず、アルバイトが行った方がコストが安い場合には、誰でもできるように作業を平易にし、アルバイトに行わせる。
他にも具体的な数値として次のようなものがあり、生々しい。
- 日通の取り分は300円。これは競合のヤマト運輸の宅急便の平均単価700円と比べると半分以下。アマゾンが1500円の本を業界平均の78%の仕切りで仕入れると粗利は330円。送料をひくと30円が残る。
- ピッキング「一分で三冊」、検品「一分で四冊」、棚入れ「一分で五冊」、手梱包「一分で一個」が厳しく課される。このことから逆算すると六十分で180冊。バイトに支払う時給は900円であることから、一冊あたりのコストは5円。検品は4円。棚入れは3円。手梱包は15円。合計すると一冊あたりに支払うバイト料は27円。ただし、出荷の大半は自動梱包でありこのコストは12円になる。
- ピッキング作業は、140個ほどの商品名が並んだリスト、通称Pスリップ(ピッキングスリップ)に従って行う。Pリストには商品名と一緒に商品が保管されている場所が書いてある。作業を始める前に、そなえつけのコンピュータに名前とパスワード、作業内容を入力し、作業完了後にまた入力する。作業完了後に「今回のスピードX冊/分」と表示される。アマゾンでは3冊/分を達成しないと二ヶ月おきに行われる査定に響く。
- アマゾンジャパンの売り上げは現在1000億を超えていると想定される。この数字は、紀伊国屋、丸善を超える数字であり、上陸からわずか5年で達成したことになる。