川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

ブログの記事広告(ペイドパブ)は混乱をもたらすだけ

About 40 percent of respondents said they were "bothered" by seeded blogs (i.e., bloggers paid to endorse a product) while only 10 percent felt that corporate messages on blogs "can add value to my experience."

40%がブログの記事広告をいやだと思い、10%がブログ上の企業からのメッセージが役になった(自分の経験に付加価値があった)と考えている。

結局ブログの記事広告も見せ方がマスと同じく、

  • 消費者の行動に基づかない
  • 関連性が無い
  • 唐突
  • コミュニケーションがない
  • 反応ができない

という感じだからだろう。雑誌の記事広告と手法としてはなんら変わりがないから価値を提供できていないということか。ブログの記事広告を手がけるならば、企業としては様々なブログメディアの属性を理解して自分がメッセージを届けたい顧客が存在するかどうかのターゲティングは最低限しておくべき。

またブログメディアも関連性が低いと思った場合には、それを説明するべき。

  • リーチはありますが関連性は低いので、記事広告の多くは無駄うちになる可能性があります。
  • リーチはありませんが関連性は高いので、効率は高いです

このいずれかだろうと思う。

シティリビング読者100人を用いたトラックバックによるプレゼントプロモーション

キャンペーンの流れは次の通り。

  • シティリビングの読者から100人を選ぶ。
  • 100人はブログで商品を試用した感想を書く。
  • 閲覧者はブログを持っていてその商品が欲しい場合にはトラックバックを100人ブログに打つ。
  • 抽選で商品が手に入る。感想をブログに書く。
  • シティリビングとの連動企画も行われる。
  • 金額は都度見積もり。

ITmedia エンタープライズ:サンケイリビング、ブログによる販促キャンペーンを気軽にを参考にしてまとめました。

トラックバックを用いたプレゼントプロモーションは既に先行してブログメディアが展開していますが、このプロモーションの特徴は

  • シティリビングというブランドネーム
  • 100人を選抜し彼女たちがまず商品を試すこと
  • 最初の段階では一般消費者は参加できないこと

という点かと思います。

なぜこのような方法をとるかを考えるとおそらく企業側のニーズが強いのだと思います。

企業は

  • 完全に口コミを消費者に任せるわけにはいかない。
  • ある程度身元が分かった企業側にたった消費者にまず試してもらいたい。
  • 結果としてある程度ポジティブな小規模な意見形成が出来た上でこれを核として一般消費者に広げていくほうが安心。

という考え方を持つ場合が多いです。そして代理店、メディアはこのニーズに応える商品を設計します。

利点としては

  • 閲覧者は口コミ情報を手に入れることができる。
  • ブロガーは商品を手に入れることができる。
  • 企業はインセンティブ付きのプロモーションを口コミとして展開できる。単独で展開する場合と比べて集客の必要がない。

というものがあります。

一方で気をつけなくてはならないのは、前述した企業の

  • 完全に口コミを消費者に任せるわけにはいかない。
  • ある程度身元が分かった企業側にたった消費者にまず試してもらいたい。

という点がはっきり見えすぎた場合には失敗する率が高まると予想される点です。

ブログのプロモーションでは初期から透明性が求められる、参加の設計が極めて重要と私は考えています。プロモーションを知ってもらうために、媒体を用いた告知は必要不可欠です。しかし一旦種をまいたら、その種が芽を出すという点に関しては既にメディアは力を発揮することはできないと考えておくべきと思います。

OL100人ブログ隊!の取り組みに注目していきたいと思います。