市場を作り手数料で儲けるビジネスモデル
発想を変えて通信サービスを利用者にとって「稼ぐ道具」なのだと位置づけてみたらどうだろうか?つまり生産財だと考えるのだ。ネットは中小企業はもちろんのこと、個人でも、販売したり、アフィリエイトとして書評を載せたりすることで、稼ぐことを可能とする道具だ。その人たちにいくら稼いでいただいたかをもって、指標とする。稼いでいただくことに成功したら、その分け前を少しいただく。いまどき、コンテンツの視聴で300円をいただくのは大変なことだが、3000円儲けさせてくれるサイトにだったら喜んで300円の手数料を払うだろう。
市場を作り、そこで手数料のビジネスモデルを事業者が構築するとなると次の三人の立場を踏まえて作らないといけない。
- コンテンツを作り出す人を、コンテンツ作成者
- コンテンツを販売する人を、コンテンツ販売者
- コンテンツを購入する人を、コンテンツ購入者
まずコンテンツ購入者からの視点。魅力的なコンテンツが豊富にあり、合理的な買いやすい価格で提供され、コンテンツを容易に見つけることができ、見つける購入はケータイやクレジットカードなど気軽な決済手段で行うことができる。
次にコンテンツ販売者の視点。コンテンツを展示するスペースが十分にあり制約がすくなく、コンテンツと価格と供給量は自らの意思で柔軟に変更することができ、課金プラットフォームは合理的な価格で提供されている。
最後にコンテンツ作成者の視点。コンテンツを作り出すためのソフト・ハードがオープンで標準的な仕様で整っている。
市場を作り手数料で儲けるビジネスモデルにおいては、まずコンテンツ購入者が十分に存在することが求められる。コンテンツ購入者がいなければコンテンツ作成者はそこにコンテンツを投入するモチベーションがわかないからだ。ここでまずいたちごっこになってしまう。新規事業者が市場を立ち上げる目標で市場を作ることはかなり困難を伴う。
既存の事業者がこれまで囲って置いた既存サービスの利用者に対して、魅力的なサービスの一つとして、市場を提供して行くことが比較的成功確率が高そうだ。
魅力的なコンテンツを作り出す利用者の割合が高いサービスを提供している事業者であればあるほど、このモデルは作りやすそうだ。