川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

ティム・オライリー(Tim O'Reilly)のetechのプレゼンテーションについて

先日、ティム・オライリーが主催するオライリー・エマージング・テクノロジー会議(O'Reilly Emerging Technology Conference、略称etech)が終了しました。その中でティム・オライリーがプレゼンテーションをしたものが非常に面白いので紹介してみたいと思います。

前半はラエル・ドーンフェスト(Rael Dornfest)による今ある技術やサービスをごちゃごちゃにして、もう一回組み合わせるとどんなことができるかというアイディアを「リミックス」というキーワードで俯瞰しています。

後半はティム・オライリーによって「オライリーのレーダー」として今インターネットで起きている様々な事象を一つ一つ紐解いていっています。これらの事象の中で注目に値するのは、オープンソースにこれまでずっと携わってきたオライリーの視点が色濃く出ている次の視点かと思います。

  • 参加の設計:design for participation
    • 成功したオープンソースソフトウェアプロジェクトは、「小さなピースがゆるく繋がって」成り立っている。故に、より大きなシステムのコンポーネントとして、簡単に使えるように、ソフトウェアやサービスを小さなモジュールとして設計する。その際に文書にし、発展を阻害しないライセンスにする。
  • ユーザー中心の開発
    • 開発における効果や過程をユーザーと共有することには大きな利益がある。故に、早期に、頻繁にリリースを行う。ユーザーのフィードバック、不具合報告、パッチ貢献のために設計を作る。より大きな責任を果たしてもらうように、アクティブユーザーに働きかけを行う。

次に、今のウェブを見回した際、ややビジネスよりなところで起こっていることを二つほど紹介したいと思います。

  • 融合した電子商取引:Syndicated e-commerce
    • 今日のウェブでは、アプリケーションのコンポーネントを全部自分で作ったり、抱えたりする必要はない。故に、その他の小さいなピースを一つにくっつけることが肝心。(「参加の設計」をここでも使うわけだ。)
  • ロングテール
    • 現実世界を限定的なものにしている要素の多くは、インターネット上では無い。故に、コンピューターの力を使い、従来は小さすぎて商業ベースに乗せられなかったニッチを金に変えることができる。

「融合した電子商取引」というのは、AWSを使って商品検索したり、そこにAdSenseのっけたり、BlogAdsで広告とってきたり、検索ボックスには検索連動型広告載せたりと、ブログをやっていて、かつ軽量言語に携わっている人たち(アルファギークっていうんだっけ)が自然にやっていることです。収益をもたらしてくれる様々な部品はモジュールで提供されていて、後は自分のブログやウェブサイトで最適な組み合わせ、最適な配置を決めることで、収益の最大化を狙うというものです。

ロングテール」は、私個人としては「融合した電子商取引」によってより加速するんだろうなぁと思っています。「ロングテール」において具体的事例として挙げられているのは、アマゾン対バーンズ・アンド・ノーブルであり、既存の広告商品対グーグルのアドセンスです。これは、ブログオーナーにとっては、前述したまさにモジュールなのです。トライ・アンド・エラーを通じて、最適化したモジュールの組み合わせは、商材の先としての「ロングテール」現象をユーザー側から加速させることになると考えています。

参考資料