インドネシアのネットベンチャー起業家のカンファレンス「Jakarta Venture Night」に参加してきました
先日7月2日にインドネシアのジャカルタのホテルで行われた「Jakarta Venture Night」に参加してきました。
"Jakarta Ventures Night / East Ventures di Grand Hyatt Jakarta" 現地メディアの記事URL @usapon @yukawasa @nishida
2010-07-03 22:40:50 via web
学生時代に私をネットの世界に引きこんでくれた松山さん(@taiga__)に誘われて、参加することになった今回のカンファレンス。正直インドネシアのことは殆ど知りませんでした。ネットも、そしてビジネスのことも。
ならば実際行ってみてみたほうが早いやということで参加を決めました。
基本的なデータ
次のとおりです。
- インドネシアは人口2億4000万人。中国の13億人、インドの12億人には及ばないが、アメリカの次に多い。
- Facebookのユーザー数は2591万人と世界で3番目にユーザー数が多い。ちなみにアメリカが1億2588万人、イギリスが2654万人の次。
- インターネットの普及率は10%。
- インターネットの国別普及率表 http://bit.ly/bRPyG1
これだけ見てもインドネシアはことネットサービスというもののポテンシャルは高そうだなという気がします。
カンファレンスの参加企業(一部)
カンファレンスに参加したベンチャー企業は20社。うち半分程度がプレゼンを行いました。
- Kaskus
- コミュニティ。現地のYahoo!のようなもの。
- http://bit.ly/awnEfQ
- 1000万UU、3億PV
- tokopedia
- Classified Ads & C2Cコマース。楽天?
- http://bit.ly/cVLayJ
- 4万バイヤー、4千セラー、月間1千万円取扱い
- DailySocial
- 現地のネットサービスのニュースサイト。TechCrunch?
- http://bit.ly/d7wtQ0
- Evolitera
- 電子書籍。インドネシア版パブー。
- http://bit.ly/doNA1p
- GantiBaju
- Tシャツ販売。threadless.com?
- http://bit.ly/aYwiJU
- Armanovu
- 電子書籍プラットフォーム。
- http://bit.ly/b2n4Qg
- Citzel
- ローカル情報。Yelp?
- http://bit.ly/bHDhkh
- PriceArea
- 価格比較エンジン。
- http://bit.ly/9nN0Az
- AdaDiskon
- ソーシャルクーポン。Groupon?
- http://bit.ly/dxrko2
- KayaKarya
- 写真やアートの共有&販売。
- http://bit.ly/aS1Xib
- Monova
- ソーシャルコマースプラッフォホーム。Payvment。
- ウェブサイトは無し。
巧拙はあるが、みな前向き、視点はグローバルで熱気があるプレゼンが続きました。
例えばtokopedia。まだ始まったばかりだが「中国ではタオバオが、日本には楽天がある。でもインドネシアには何も無い、だから我々がそれになるのだ!」と言い切る。
Monova。「インドネシアではfacebookが盛んでそこでは実はすでに個人ベースではクレイグズリストみたいなもののやりとりは行われている。でも詐欺が横行しているからpayvmentのような仕組みをインドネシアで作ることにした。」
GantiBaju。「インドネシアの独特なデザインを今風にアレンジしたデザインのTシャツにしてドロップシッピング型で販売する」実際デザインがドット絵の神話キャラだったりしてかなりいけてた。
もちろんユーザー数という面では日本と比べれば現状では物足りないものも多い。だけどネットの普及率を比較したら日本の7分の1以下。そして彼らのみせる全てのスライドは成長のカーブがホッケーのスティックの様なカーブを描いている。いまこんなにきれいな成長を描ける会社日本にどのくらいあるかなあと素朴に思う。
フェースブックについて。
現地で話を聴くとBlackBerryとFacebook(FB)の組み合わせが若者の間で流行っている。BlackBerryのメッセンジャーのおかげでsmsは駆逐されてしまったらしい。ビジネスマンもBlackBerryないと仕事ができないし、若者もBlackBerryがないと輪に入れないということで利用が加速しいまの状態に。通信面でもBlackBerry工夫あり。BlackBerry経由でfbみたりメッセージやりとりしたりすると裏側でかなり圧縮するらしい。だからユーザーはアクセスが軽くなり、お金も安く済む。あとfacebookのアカウントさえあれば友達とメールからなにからやりとりできるから人気になっている。
インドネシアのネット人口に対するFB普及率はすごい。そして書いたようにBlackBerryとFBの関係がユニークであり、若者がほほみんなFB使っているという状況が日本とは大きく異なる。この点で、FB上でのソーシャルコマースはじめとするビジネスはインドネシアが重要な拠点になりうると感じる。場合によってはFB利用者数1位のアメリカより進んでいるところがあるじゃないか。
ネットサービスの収益について。
結論は、広告も課金もまだまだこれから。収益を生むための土台はまだかなり未成熟。
ネットサービスがまだ多くない、故に広告枠も多くない、故に代理店も多くない。コマースは詐欺が横行していているため業者がエスクローサービスを提供している。こうでもしないと立ち上がらない状況。この分野は今日のカンファレンスでも熱い分野の一つだった。
課金については詳しく聞くことができなかった。クレジットが優勢なのは間違いなさそうだが。もちろんキャリア決済はない。ペイパルやそれに似た仕組みはどうもあるらしいが詳細聞くことはできなかった。
インドネシアのネットビジネスの立ち上がりは3-5年で考えたほうがいい。ただしFBにおけるビジネスをなにがしか考えている人にとってインドネシアはサービス面、開発面、ビジネス化面で注目し続けなくてはならない国であることは間違いなさそう。
逆にFacebook Adsで自社のネットサービスの集客をしているところは結構多いみたい。
まとめ
インドネシアは日本の10年前みたいなところもあるし、ソーシャルメディアの活用では日本を越えるところもある。収益化の方法は現在のところ限られているが、サービスの増加と共にそれも増えていくと見込まれる。
インドネシアの起業家には、面白い人が多いので、FBやツイッターで情報交換しつつ、折を見て訪れてみたいと思います。