買い物について
糸井さんが1988年に「ほしいものが、ほしいわ。」という名コピーを生み出してからはや20年以上が経つ。
物を買うということについて私たちのとらえ方は変わったのだろうか。
20代の社員や知り合いにときおりきいてきた結果をぱらぱら書き出してみる。
家と車という二つの大きな買い物について。
- 家も広くなくて良い。帰って寝るだけの場所なんだから広さというのは関係ない。寝るという機能に特化した場合、良いベッドを買うことの方がずっと優れた投資だ。
- 車なんて滅多に乗らないし、持つ意味が分からない。家から会社まで、家から友人の家まで近ければ自転車で良いし、遠ければ電車。家賃にお金をかけていないのに、殆ど乗らない車のために駐車場代を払うなんてことはあり得ない。レンタカーですらいらない。そもそも、車の免許はとったにはとったけど完全にペーパードライバーであり、車の運転が楽しいと思った経験は一度もない。
家や車と違ってもっと買う機会が多い洋服について。
- 無印かユニクロで大抵はすんでしまう。無印だけ、ユニクロだけだとかぶる危険性はあるけど、二つを掛け持っていけばかぶる危険性を最小限に抑えることができる。服は消費するものだから、シンプルで動きやすくて値段がそこそこ安いことが大事。洗濯はするけれども長い間着て服に穴が空いたらふさぐなんてことは時間がもったいないからしない。そのときは捨てて新しいモノを買う。
では洋服が本領を発揮する出会いの場というのはどんな感じか。
- 合コンというのはあんまりしない。何人かで集まってご飯を食べたりはする。でもそれは合コンみたいに下心丸出し、男女しっかり分かれてという感じではない。集まりがあって、(自分が男で)その場女の子がいたとしても電話番号をがんがん交換してという雰囲気にはならない。お互いその場が楽しくたわいもない話で盛り上がればそれでよい。
全般的に買い物というものはどう考えているのか。
- 本はなるべく立ち読みで済ませる。買う場合にはamazonのマーケットプレイスか、ブックオフで中古の本を買う。そして読み終わったらすぐに売ってしまう。これは家が狭いからというのもあるけれどもどちらかというと家に本であれなんであれとどめておくというのに強いこだわりがないから。所有するということではなく一時的に使うという感覚がある。
- ゲームについても同じような感覚。
- 映画についてはちょっと異なる。映画館には時々行く。DVDはレンタルという制度が整っているからレンタルする。買うということは滅多にない。
かなり少ない10名程度のサンプルなので、あくまで話のネタ、程度なのだが、物を買うという行為についてこういう意見がある、こういう意識に変わっている人たちもいるというのは参考にはなるかもしれない。
少しまとめてみるとここから何を考えるか。
- 物を所有するという意識がかなり希薄になっている。
- 物は細切れにされてサービスとして一時的に使われる。サービスの集合体が物という感覚がある。
- 新品に対して強いこだわりが無い。中古でもまったく気にしない。
という人がいる。こういう人は多いのか、それともかなりマイナーなのか。もうちょっと追いかけてみる価値はありそうだ。
追記
- 電車、バスが高度に発達している。
- 家賃が高い。
- サービスを購入する場所がたくさん存在する。
という条件が整っている場合ですよね、というのを追記しておこう。
追記2
ブックマークコメントで色々なご意見頂きました。ありがとうございます。
先日のエントリーを書いた趣旨としましては、理解できるところもあるけれども、自分と考えが違うというところ、つまりギャップが結構あるなぁと印象に残ったため、エントリーとして書いてみたというところがあります。
その意味でエントリーの考え方=私の考え方ということではないことはないんです。言い訳っぽい&後出しじゃんけんぽさはぬぐえませんが、誤解されているところもあるかなと思いますので、私がギャップをどんなところで感じたか。
まず私の考えというか、私の消費のスタイルを書きたいと思います。
家については、家で夕食はほぼ食べる、家と家の回りの環境が好き、そして家で過ごす時間が長いため、生活する場として家は広い方がいい。車は都内に暮らす身としては所有のコストは高く利用の頻度は低いので持つことはできないけど車の運転は下手ではかっこわるいという感覚はある。本は月にAmazonや書店で半々程度合計20冊以上は買うが売りはしない。いつか読み返すだろうと本棚を溢れさせている。
そんな感じです。
先日のエントリーの考え方については、自分の気持ちとフィットする部分もあるし、そこは違うだろうと思うところもある。時代のある断面では所有ということに対して気持ちの変化はあるのだろうけど、それはなんでなんだろう。所有しない代わりに得られる良いことやかわりにこだわること、また新しい物の考え方というのは何なんだろう?というのはまだまだ分からないので引き続きいろんな人に訊いていきたいし追っかけたいです。