川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

ビットキャッシュ片山氏、ミクシィ原田氏、ニワンゴ杉本氏、カカクコム安田氏の四人が語るネットサービスの収益化

CNETの記事でネット業界のキープレイヤーたちがネットサービスの収益化についてOGCで語っている記事が上がっていました。

mixi、価格com、ニコニコ動画らに学ぶ、ネットサービスの収益化:ニュース - CNET Japan

  • ビットキャッシュ片山氏
    • PCユーザーは「音楽」「オンラインゲーム」「電子書籍」「動画」「写真」の順で金を払う。携帯ユーザーでは「音楽」において有料利用者が無料利用者の数を上回っている。
  • ミクシィ原田氏
    • ケータイでミクシィのデザインを変更する機能は85%のユーザーが利用。有料化後も約20万人が利用。ちょっとした機能でも収益が見込めるなら有料化すべき。
  • ニワンゴ杉本氏
    • ネットユーザーは自己主張や差別化にお金を払う。コミュニケーションの手段に対価を支払っている。
  • カカクコム安田氏
    • コミュニケーションの場を提供するときは、ユーザーが嫌な思いをすることなく有益な情報を共有できることが重要だ。

PCではできることが、ケータイではできない。そのちょっとした不便なことに対してお金をしっかり取りましょうというミクシィの原田さんと、ケータイでもPCでも自己主張や差別化のために、コミュニケーションの手段にお金を払うんだよというニワンゴの杉本さんの意見が興味深いです。

各社、何でもかんでも無料でがーっと集めて広告で稼げば良いやとモデルから、サービス利用者は何を何円でほしがるのかをしっかり考えて立ち上げていくフェーズに入っていることが如実に表れた良い記事だと思いました。

ネット業界でも、ケータイにおけるグリーの収益モデルを見て「課金!課金!」の大号令というところはあるかなぁと思います。

広告一辺倒よりも、課金を組み合わせて収益源を多様化した方が変化に強いと思います。

広告と課金はときとして食い合うので慎重な配置が必要とは思います。

加えて、広告の場合は、サービス提供企業→サービス利用者←サービス閲覧者←(広告代理店)←広告主、とプレイヤーが多いのに対して、課金は、サービス提供企業→サービス利用者とプレイヤーが少ない。広告の場合には、多くのプレイヤーの利害が一致するようにサービスを構築する。課金の場合には乱暴に言えばサービス利用者だけを考えれば良い。この特徴からみても、広告モデル一辺倒だったものが突如課金一辺倒にはなれない。

収益の多様化で企業の安定というのを目指すのは結構繊細な作業ですよね。

皆様と是非収益化の議論がしたいなぁと思いましたので、マネタイズHacksなりに招待するなり、突撃するなりしようかなー。