川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

岡島悦子さん『人脈力』

株式会社プロノバ社長岡島さんによる人脈構築に関する本です。

抜擢される人の人脈力  早回しで成長する人のセオリー

抜擢される人の人脈力 早回しで成長する人のセオリー

岡島さんは三菱商事、ハーバードMBA、マッキンゼー、グロービスの経営人材紹介会社グロービス・マネジメント・バンク代表取締役で活躍され、現在はご自身で経営のプロ創出を行う株式会社プロノバを設立し、代表取締役社長としてご活躍中です。

岡島さんは人脈の価値を次のように定義されています。

  • 自分の価値を理解してそれに基づき戦略的に人脈を構築すれば、活躍の機会が人脈からもたらされる。
  • もたらされた機会で貢献すれば次のよい機会がもたらされる。
  • しっかり貢献する循環ができれば活躍する場所も、能力も、人脈も向上させることができる。

自分の知識やスキルを向上させることに熱心な人は多いが、人脈を意識的に広げて、それを用いて成長していこうという人は少ない。自分のレベルの向上のためには場と機会が大事だが、その場と機会を引き寄せてくれるのが人脈である。

故に人脈を意識して広げていくことが大事であると。

自分の能力を向上させるために勉強をするけど発揮する場所がない。人脈を広げようと異業種交流会に出るけどただ立ち話だけで終わった。そんなことは自分をみてもとても多いこと、多いこと。

それは岡島さんに言わせれば人脈力を意識した行動ではないから、ということになりそうです。

この大事な人脈力。向上させていくために岡島さんは5つのステップが必要としています。

1.自分が何屋なのかをはっきりさせる。

例えば私であれば「○○といえば川崎裕一」というものを、会社以外の肩書きできっちり相手に伝えることが必要だと。はてなの川崎ですも大事ですが、はてなで何やっている人なの、何が得意なのということを短く印象深く伝えることができるかどうか。

一般化すれば自分がやりたいことは何か、自分しかできないことは何か、自分が相手に与えられるものは何かを自分で咀嚼して相手に伝えるということですね。この三つ目の自分が相手に与えられるものは何かというのは私は意識しています。

人と話しているときには、例えば30分であれば、少なくとも(自分の時給+相手の時給)x30/60は金額として使っているわけでなんとしても自分とあって何かを持って帰ってもらおうと結構前のめりで話します。ちなみに弊社社長のjkondoこと近藤もこのことはよく口にします。はてなでは朝会を毎朝やるのですが、人数x時給分の時間を使って話す場なのだから、その金額と価値をしっかり意識して話せと。

岡島さんも本の中で「まず目の前にいる相手に自分とのディスカッションや会話を楽しんでもらう。楽しんでもらえればその人が誰かに自分を伝えてくれる可能性ができる。時間は有限であり相手の時間を投資してもらっている認識を持つ。」と書かれています。

「イベント企画、飲み会企画など小さなリーダーシップにおいて貢献を重ね、そのとき自分の貢献をリマインドする。仕事でもなんでも当事者意識をもって何かに貢献すること=コミットメントはしっかり意識する。」とも書かれています。自分に振り返って考えて見ると、時々やるのはヨセミテさんとのフットサルくらいなものでここはとても及第点は上げられません。そもそも社交性がそれほどなく油断するとこもりがちな性格であるので、ここは意識でやっていかないといけないですね。反省。

2.「お、こいつは」と思わせる実績事例をつくる。

「目の前の仕事に愚直に打ち込み、努力の反復を繰り返すことで実力がつき、結果という大きな実績に繋がる。仕事において最後に効いてくるのが「集中力」「根気」「粘り」。脳に汗をかき、修羅場を経験し、自分の名前で仕事をすることでこの三つが手に入る。」とあります。

今の仕事では努力をしているつもりが成果がなかなかでず苦しむ頭使って色々考えて、手も打っているはずなのに成果がでていない。もういやだー。そんなこと、結構あります。

ただそんなときは日々の仕事の一つ一つの積み重ねを経なければ前に進めないし、一足飛びに結果がでるほど世の中甘くないんだよ!と自分に渇をいれています。焦りすぎてもいけないし、ゆったりしているのは焦りすぎるよりさらに悪い。体を前に倒し気味に仕事を進めていく、でも立ち止まるときにはしっかりと立ち止まる勇気も持つというラインを意識して日々仕事しています。

仕事の最後の一歩、最後の一押しというのはとてもとても大事で、そこを粘れるかどうかで成否を決めることが、これまでの仕事人生でもありました。その粘りはやはり、岡島さんのいうように脳に汗をかいて、修羅場を経験してはじめて手に入ってくるものなんですよね。あの修羅場と比べれば今はへでもないというのはやっぱり強みになる。えらそうに書きましたが、ちなみにもっと修羅場経験しないとだめだなーとも思っています。

また健全な精神は健全な肉体に宿ると言いますが、あれは本当です。頭がほぼ真っ白になっても、体にまだ余裕があれば、真っ白なとこのわずかな黒い点が最後の一押しになることが多々あります。究極の最後でいえば、体力勝負というところもあると思います。でも自分は最近ジムがよいもサボり気味なのでしっかり曜日と時間決めて通いたい・・・。反省再び。

「市場価値=能力x実績x意欲。能力は勉強や仕事を通じて手に入れることができる。実績は仕事でしか手に入れることはできない。意欲は原体験や使命感に裏付けられた強いエピソードが説得力から生まれる。」

ちょっと言い換えですが、「結果=能力x投入時間x意欲」とも言えるかなと思います。投入時間は1日24時間が最大です。投入時間が増えすぎると疲れが蓄積し、能力と意欲に影響が出てきます。能力は勉強や交流で拡大させることができます。意欲は仲間との切磋琢磨や、会社への貢献の正しい評価で増えていきます。もちろん家族の支えや励ましも大きな力となるでしょう。私は自分で凡人と理解していますので、結果を出すためにこの三つのレバーを結構意識して仕事をしています。

これは人によって全く違うのですが、参考までに私の場合投入時間はやや抑えめ、空いた時間は読書や交流に投入、そこで能力と意欲の拡大を狙うというところです。

私はある一定時間をすぎるともうどうにも頭が回らなくなりますので、能力を発揮できなくなったなあと思ったらおとなしくあきらめて帰るという割り切りをしています。食事は基本家で食べて体調と体重を維持する。自分はホームランバッターではなくアベレージヒッターであると思っています。

3.仲間を広げる。

「まず社内勉強会、業界勉強会をやってみる。すると自分の実績がいけているか、自分の強み・弱みはどこか、努力が仲間と比べてどの程度かがわかる。強い仲間のつながりは人脈強化に繋がる。」

「勉強会を実施するときには幹事になる。ノウハウや情報、人とのつながりはすべて幹事に集まってくる。メンバーが困ったら必ず幹事に相談に来る。」

「自分が勉強した成果を勉強会で仲間に共有することでアウトプットの技量があがる。伝える力、聞く力、情報整理力、コメント力などのコミュニケーション力が向上する。」

「勉強会は人数は4−8名で。仲間には目的を共有し、お互いに高めあえる、次のステージを目指していることが求められる。ぐらい全員が「貢献せよ、さもなくば去れ」の共通認識を持つ。」

この点は私には努力が必要です。最近仲間を広げる必要性を、仕事でもプライベートでも感じており、ここは2月今から意識的に拡大していこうと思います。

面倒くさいことを積極的に引き受けるというスタンスはとても共感できますね。それを引き受けてもなお、得られることのほうが大きいだろうとも。

4.自分情報を流通させる。

「自分が何屋や、どんな実績があるかをブログで発信したり、交流の都度に話してみる。ブログでは問題提起を行うようなコンテンツを作成する。」

これも「タクシー王子、東京を往く。」のエントリーと同じく、岡島さんの手のひらで転がされるようにこのエントリーを書いているわけで、して「やられたり」です。

自分はインターネットの上で、サービスを提供して、ビジネスをしているはてなというちょっと変わった会社にいます。

会社の中で、身近な人たちとの付き合いの中で、自分が特殊な環境にいて、ともすれば井の中の蛙であることを忘れがちになります。

これを打破するためには、会社のこと、業界のこと、ビジネス全般のこと、様々あります。そういうものを、やはりブログを通じてもっとアウトプットしていくことにつきる。そう思います。

5.チャンスを積極的に取りに行く。

「「やってみない?」と言われたらまずはやってみる。自分が乗せられた舞台とそこでの役割に徹し、最後までやりぬく。そうしないと次のチャンスは巡ってこない。」

ですよね。チャンスの女神には前髪しかないなら、全部引っこ抜くくらいの気持ちでつかみにいかないと。

同時に。繰り返しですが目の前にある自分の仕事をきっちりとこなすことでしかチャンスの女神はやってこないということも認識すること。

目の前の仕事をさほど気合いいれてやっていないときに「あー、チャンスの女神きたー!」と思っても、それは偽女神に違いない。

自分の仕事のやり方と人脈の向かい方について、考えるものがあり、今後どう向かっていくかについて具体的にえるものがありました。感謝です。