川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

『アップルの法則』

nobilog2林信行さんの『アップルの法則』を読みました。

アップルを長年追いかけてきた林さんだからこそ書けるネタの宝庫。ここまで密度が濃くかつ簡潔にアップルの企業文化、組織、製品戦略まで幅広く理解することができるものは無いと思います。

アップルがなぜにアップルかということについて林さんが第5章『成功の秘密は「インパクト」と「サプライズ」』であげられています。その中から特に自分が気になったポイントをメモしてみます。

自分の中の夢や理想を追う。

市場調査、グループ調査はもちろん行うがそれで自分たちが作りたいもの世の中に出したいものをあきらめるなんてことはしない。

自分の製品開発計画ペースを守る。納得するまで議論し、突き詰め、開発する。

業界イベントに合わせて製品発表はばかばかしい。ペースを勝手に決められて他社と比較され自分たちの製品が取り上げられる可能性が下がってしまう。

自分たちは中長期でどうなりたいか。既存製品をどのようにアップデートしていくのか。新製品はどんなものにしていくのか。具体的な製品戦略を洗い出した上で必要な期日を決定し開発が全力で進む。スピードはiPodの場合2001年1月にやるぞと決めて、3月に調査終了、10月に製品リリースという速さ。もちろん全部はやれないので基本設計を自社で、製造をアジアのメーカーに任せる。

選択と集中

ジョブズが戻ってきたときにはシェア競争を勝ち抜くため顧客の露出を大きくするため製品の乱造をした結果製品種類は80種類にまで上っていた。これをコンシューマー/プロ軸、デスクトップ/ノート軸の二つに分けてたった4種類にまで減少させた。

ネーミングも以前のように『パワーマック6300』『パフォーマ5400』『パワーブック2400』から今は『MacPro』『iMac』『MacBook Pro』とシンプルになり分かりやすくなった。

その中で出てきたiMacも色は一色のみで徹底的に大量生産しコストを抑え、フロッピーをなくしネット対応を謳い、デザイン性を高めた結果技術的・デザイン的先進性が話題になった。

自分たちが絶対に欲しい具体的な1機種1モデルを性能、容量、価格を踏まえて考える。そのモデルに徹底的にこだわり高い完成度を目指す。

複雑なものをシンプルなものに変えていく過程においては1000回のnoがある。大変な作業だがシンプルにすることで他社が真似できないためあるジャンルの代表になることができる。製品のメッセージが伝わりやすくなる/伝えやすくなる。

続きは『アップルの法則』本編でどうぞ。

アップルの法則 (青春新書インテリジェンス)

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