ブラザー工業にみる、ブログを用いたプロモーション
ブラザー工業がはてな上で行っている「ブラザー社員のブログ」と「ブラザーのコンパクトレーザー複合機「DCP-7010」欲しい!」キャンペーンの成果からブログを使ったプロモーションを分析してみたいと思います。
SEM成果
「ブログを継続的に行うこと」と「キャンペーンを適切に設計すること」によって、検索エンジンの検索結果にも大きく貢献しています。
- ブラザー - Google 検索において、「ブラザー社員のブログ」は9位。Yahoo!検索 - ブラザーにおいて11位。
- レーザー複合機 - Google 検索において、はてなダイアリー - ブラザーのコンパクトレーザー複合機「DCP-7010」欲しい!とはは7位。Yahoo!検索 - レーザー複合機においても7位。
ブラザ工業ーの事例
ブラザー工業のブログが支持を受け始めている理由としては、幾つか要因があると思います。この要因は「1.事前準備」と「2.アフターフォロー(結果確認と今後の方策決定)」の二つに分類されます。
1.事前準備
(1)ブラザー工業は企業ブログに真剣に取り組んでいる
ブラザー工業は、はてなダイアリーで非常に真剣に、かつブログになじんだスタイルで書き続けています。
- ブラザー社員のブログは2005年2月15日から開始されており、ブラザーブログの固定ファンが存在している。
- 半年以上週2回程度の投稿をブログで行い、トラックバックに反応し、企業理念「At your side」に忠実に従いユーザーとの交流を真剣に行ってきた。
- ブログの書き手は、なるべくユーザーの近くの目線でエントリーを書き、「製品カタログ」にはならないエントリーになっている。
- くだけた口調、似顔絵、写真の利用等が特徴的。
- プレゼントキャンペーンに関しても、「ブラザーのレーザープリンタ「HL-2040」欲しい!」を通じて二回のキャンペーン実績がある。
- キャンペーンを行う際にユーザーの目線にたった設計を行うことができる。
というブラザー工業の姿勢が土台としてしっかりと根をはっているからというのが大きいと思います。
(2)ブログで、はてなダイアリートップで、メルマガで告知しキャンペーンを盛り上げる
(1)のブログを用いて多くの人にブラザー工業の思いを知ってもらうことは非常に重要です。そしていざプレゼントキャンペーンを実施する際には、
を連携しながら行います。これによってある程度の露出を確保し、ユーザーにキャンペーン実施したことを知ってもらいます。
2.アフターフォロー(結果確認と今後の方策決定)
(3)キャンペーンをユーザーにも楽しんでもらう仕組みが存在しており、数値面及び、顧客の要望把握が同時に追いかけられる
キャンペーンを実施したからには、結果の確認を行う必要があります。例えば「はてなダイアリー - ブラザーのコンパクトレーザー複合機「DCP-7010」欲しい!とは」の事例を見てみます。
三週間で
- 1700程度の言及数(トラックバック数)
- これらのユーザーのはてなダイアリーには「ブラザー」「コンパクトレーザー複合機」「レーザー複合機」「DCP-7010」等のワードが存在している。結果的に応募者の ブログを見ている「視聴者」にも上記のワードを知ってもらうことができ、キャンペーンに応募して頂ける可能性も増す。
- キャンペーンキーワードページのPV数
等が測定できます。数値でもキャンペーン結果確認が可能です。更に応募者のはてなダイアリーを読ませて頂きその中で、新しい発見例えば
- レーザー複合機を使っているユーザーはどんな場所で使っているか
- なぜプリンターではなく複合機か
- 何が主要な用途なのか
等を知ることもできます。新しい気づきを得ることさえも可能です。
これらの数字と意見を見ながら、今後の活動に役立てることができるというわけです。
ブログを使ったプロモーションのこれから
現在、ブログを使ったプロモーションは
- 企業のテンプレートをユーザーに使ってもらう
- 企業の担当者がコダワリをブログで書く
- 製品の写真等をブログに載せる
というような一昔前の「カタログ」としてのものが多すぎると思います。確かにブログの安価なCMSという観点に着目すれば「カタログ」的ブログは一つの解なのかもしれません。
ただ、ブロガーやユーザーとの交流を通じて製品やサービスの認知を更に深くやりたい*1という目的を持つ場合には、ブログにはトラックバックという機能があるのですから、これを最大限に活用するべきです。
- トラックバックを通じたユーザーの意見の吸い上げ
- その際にポジティブな意見だけではなくネガティブな意見をも飲み込める体制作り
- はてなダイアリーキーワードを用いたプロモーションへのつなぎ込み
- 他ブログであればトラックバックセンターとのつなぎ込み
までを含めて考えるべきだと思います。
*1:ある意味の口コミマーケティング