ITにお金を使うのは、もうおやめなさい
「Does it matter?」の日本語訳が「ITにお金を使うのは、もうおやめなさい」として出版されたので、早速読んでみました。
ITにお金を使うのは、もうおやめなさい ハーバード・ビジネススクール・プレス (Harvard business school press)
- 作者: ニコラス・G・カー,清川幸美
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2005/04/07
- メディア: 単行本
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同書はアメリカで賛否両論あった本で、すごく乱暴に要約すれば
ということだと思います。
この論を支える支えるポイントとしては、次の通りです。
- 技術のコピー・サイクルが短くなっていて、IT導入は高くつく。
- ライバル企業が新しい技術の模倣に要する時間を「技術のコピー・サイクル」とすると、このサイクルは時間と共に短くなる。最初に何らかの技術を導入する際には時間はものすごくかかるが、同じことを続く人たちがやろうとすれば比較にならないほど早く導入することができる。
- 企業がIT投資に対して費用対効果の測定指標が甘くなりがち。
- ITはインフラであり、もはや誰もがやっていることだ。
極めてまっとうな意見だと思います。
個人的に頭に残ったポイントは、次の通りです。
- 今後の戦略の中で重要なことは「持続可能な優位性」だけではなく「てこ入れ可能な優位性」も含めなくてはならない。これは「いったん獲得すれば、たとえ短期間しか続かなくても、別の優位性を獲得するための足がかりとなるような優位性」である。
- ロナルド・コース*1の記した企業・市場・法、「企業の本質」の章で「電話や電信がもたらしたような変化は、組織化のコストを減少させることで、企業の規模の拡大につながりがちだ。経営手法の改善をもたらす変化は、どんなものでも、企業の規模を拡大させる傾向がある」
- この一説は国際的な大企業が生まれていったことを示している。
- インターネットのおかげで様々な企業と簡単に接続し、多くの事業を外部に任せるケースが多くなっている一方で、同時に、従来よりも多くの業務を社内に効率よく取り込むこともできる可能性がある。
- 外部に委託する際には、業務の標準化が必要不可欠であり、標準化されていない作業の外部委託は費用の面でよくよく考えると見合わないこともある。
- 作者: ロナルド・H.コース,Ronald Harry Coase,宮沢健一,藤垣芳文,後藤晃
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 1992/10
- メディア: 単行本
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