川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

情報を隠す意味は「あまり」ない

id:naoyaの情報公開に関するエントリーが盛り上がっているので反応してみます。

はてなブックマーク - naoyaのはてなダイアリー - 隠さなくていいものは隠したってしょうがない

私は前のエントリーで書いたように

要約コメントを書いた中で、あまり人が知らなく、自分が詳しい、または人が関心があまり無いが自分はすごく関心があるというようなものは、はてなダイアリーのエントリーで取り上げます。

というスタンスで自分の考えを発表しています。なぜなら、そういうエントリーは自分の頭の整理になると同時に、多くの人に見てもらう可能性を増やすことで、ひょっとしたら私のエントリーをみて、よりブラッシュアップしたエントリーを書いて、トラックバックしてくれるかもしれないからです。ブラッシュアップしたエントリーは自分のためにも、人のためにもなるので一石二鳥だと。

私がP2PコミュニティのJnutella.orgを運営していたことを通じて得た教訓は実はここにあります。P2Pという言葉があまり知られていなかった1999年に何とか普通の人の代表である私はなんとか多くの人にそのコンセプトを理解してもらうために色々と考えました。

そこでたどり着いた結論は次のようなものです。

  • 自分が優れていると思っているアイデアは、おそらく世界中で何千人もが思いついている。
  • ただアイデアを思いついてそれを発表しようと思う人間となると急に少なくなる。
  • 更にそのアイデアを実現しようと思う人間はもっともっと少ない。
  • だから、とりあえず自分が持ってるものは情熱と速さ。それに加えてインターネットを通じた情報発信だ。

というわけで、自分の考えが現時点で未熟であっても、批判覚悟でどんどんインターネットで発表していく方が得と思ったので、私はアイデアを隠すことを止めました。

結果的にJnutella.orgというコミュニティは、多くの参加者を迎えることができ、P2Pの正しい認知にちょっとは貢献したかなぁと思っています。

当時はブログが無かったか、それほど一般的ではなく情報を伝える手段はメーリングリストとウェブサイトでしたが、今はブログ、ソーシャルブックマークがあり、比較にならないほど個人がものすごい速度で大きな影響力を持つ可能性があります。

企業活動において、収益を上げるために当然秘匿しなくてはならない情報はあります。ただ、私の考えではその割合はすごく小さいと考えていますが。

私自身がid:naoyaの情報公開に関する考え方をブログを通じて初めて知ったのですが(笑)、はてなという会社が同じ方向を向いてどんどん走れている理由が何となく分かった気がします。