川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

ルンバの売り方

私はダイソンを合計3台、ルンバを合計3台買いました。現在ルンバをメインに使っています。ルンバは素晴らしい商品です。しかし売り方がヘタです(と勝手に思う)。

自分がルンバの営業ならこうします。

まず捨てることです。

(1)性能訴求をやめる

他の掃除機との比較はやめましょう。ダイソンの吸引性能には負けます。そもそもルンバの掃除のアプローチは「数をこなす」ことです。一回の吸引力で劣るルンバを従来の掃除機の吸引力勝負の土台に上げてはだめです。

(2)単価重視、販売数軽視をやめる

日本での単価を高く維持しつつ、販売数はそこそこで。高所得者をまず狙うというのはもったいなさすぎます。やめましょう。

次にはじめることです。

(1)時間訴求
(2)販売数重視

(1)時間訴求

「時間を買えるのはルンバだけ」というメッセージで行きましょう。

ダイソンは素晴らしい掃除機です。しかし掃除をするという行為と時間からは開放してくれません。

ルンバは違います。あなたが掃除をする必要はありません。ルンバがしてくれます。

掃除をする時間は一日何時間?その時間をルンバが引き受けます。

(2)販売数重視をはじめる

「値段を半額!(ただし2台買ってくれたら。)」にしましょう。

売れ筋が「ルンバ537」でこれが¥69,800(税込)。ヤフオクでの並行輸入が¥30,000程度。この価格差では壊れても良いから2台買うのが消費者心理。価格を\35,000(税込)にしましょう。条件は2台買うこと。自分用と、友達用です。販売台数をあげつつ、クチコミも広がります。

(3)大都市のマンションに住むファミリーを重点的に攻めましょう

狙うのは大都市のマンションに生活するファミリーです。

なぜ大都市のマンションか。ルンバは窓の掃除も、壁の掃除もできませんし、階段を登ることもできません。

得意なのは床の掃除です。階段や大きな段差が無いフラットな間取りの家=「マンション」を大の得意とします。1ルームでも良いのですが、ルンバが本当に力を発揮するのはフラットな1LDK以上の間取りです。その間取りだとターゲットはDINKSかファミリーでしょう。

「大都市のマンションに住むDINKSかファミリー」となります。この属性であれば、アメリカよりも日本の方が多くの客が取れそうです。有望なマーケットなのではないでしょうか。日本市場はルンバに合っているのです。

(4)ルンバレンタルをはじめる

自動車メーカーがレンタルするようなものです。まずはお試しを。月1,000円で貸し出しましょう。試せばわかって頂けるはず。

この四つを組み合わせればルンバはもっと売れるようになると思います。