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川崎裕一です。スマートニュースで広告を考えています。

鈴木敏夫さん『映画道楽』

スタジオジブリ・プロデューサー、鈴木敏夫さんの『映画道楽』を読みました。

(この本読みたいなぁと思っていたら、弊社マーケ部部員id:shiraberが机の上に置いておいてくれました。ありがたやありがたや。)

映画道楽

映画道楽

スタジオジブリでどのように作品が生み出されるのか。宮崎さんや高畑さん、そしてもちろん鈴木さんの仕事の進め方が書かれています。

この中でスタジオジブリでプロデューサーという立場で活躍される鈴木さんのプロデューサーとしてのありようというものをとても興味深く読みました。

プロデューサーは二種類いると。

一つはお金を出して企画を作り商品に仕上げるプロモーター、コーディネータータイプのプロデューサー。そして一つは作る側の人間を主体として作品を作るプロデューサー。編集者型のプロデューサーといってもいい。鈴木さんは後者のプロデューサーであるとおっしゃっています。

プロデューサーに求められること。一人の作家に作品を作ってもらうために、作家が何かを作ろうとしたときに最初の読者になることはとても大事。そして読者になるためには、作家の教養の元を知り、自分も同様の教養をつけ、作家が何かを行ってきたときに相づちをうまく打てる必要がある。

作家の作家性に惚れ込んで、作家の世界がどこから生まれるのかを本当に知りたいと思い、その発想の、そして世界観の発生の起源にまで迫っていかないといけないのだという強いプロフェッショナリズムを感じます。

同時に制作の拠点をととのえ、作家の作品を作るのにふさわしいかどうかを見極めた上でスタッフを揃える。

これは作家の限界、不得意なものをしっかりと知って、足りない資源をきちんと用意してやるということになります。良い武将でも兵糧が無ければ戦えない。良いアイデアとビジネスでも、お金が無ければ回らない。その土台をきちんと、作家にふさわしい形で整えてやる。

宣伝もしっかりやる。大事なことは、タイトルロゴを含めた作品のタイトル、コピー(宣伝惹句)、それとビジュアルの三点セットには気を遣うこと。タイトルロゴは明朝体かゴシック。読みやすく、高級感がでる。欲しいのは文芸色=高級感だ。

多くの人に知ってもらうことに貪欲であるのと同時に、作家と作品の世界観を壊さない。

そして宣伝において予告編はとても大事。でも予告編はどんなに優れたものを作っても、本編をやっている監督は喜ばない。あるカットを選んでも、それを丸ごとみせるのは難しくて、どこかを短くせざるをえない。監督としては「なぜあのカットがあるのに見せないんだ」となる。だから事前に予告編を監督には見せていけない。このギャップに折り合いをつけること。

作品を多くの人に知ってもらう。楽しんでもらうために、尊敬し、愛する作家との対立を恐れない。

宮崎さんという作家に惚れながらも、現実を見て、世界との橋渡しをしてきた言葉は重いですね。