川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

一期一会

人と話をする時に「今この人と会っているけれども次は無いかもしれない。だから今を大事にしなくてはならない。」ということ肝に銘じています。言葉なら『一期一会』でしょうか。

相手が、私と会って何か得たという確かな手応えを持ってもらいたい。手応えが無ければ次に会ってもらえることはない。いつもの言葉、いつもの資料だけではだめで、相手のために考えた言葉、相手のために作った資料を加えなくてはなりません。

簡単なところでは、例えばお渡しする資料でも一枚目に会社名に加えて個人名を入れておくだけで『あなた専用度』は増すでしょう。

ただそういった小手先の工夫よりもずっと大事なことがあります。

それは話している間は相手の話を聞くことです。自分の言葉は自分が生きている限り聞くことができます。相手の言葉は今しか聞けません。ですから相手の言葉に耳を傾ける時間を多くしたほうがいいでしょう。

とてもシンプルなルールですが私もなかなか守ることができません。

高畠導宏さんという方がいらっしゃいます。プロ野球で打撃コーチを長い間務め、多くのプロ野球選手に影響を与えたかたです。コーチングのプロである高畠さんは『大きな耳 小さな口 優しい目』という姿勢で指導をしてきました。相手の言葉を良く聞き、ちょっとした助言をして、結果をじっと見守る。つまり『待つ』という姿勢を貫くということが大事だと伝えているのです。

話をしている中で『待つ』というのは難しいことです。どうしても自分が話すことばかりに気を取られてしまうものです。ですが高畠さんはこの逆を実践して名コーチになりました。

今日会う相手にはもう会えないかもしれない。だからこそ『待』って相手のために何ができるかを考える。商売においても、何においても人と人との関係にとって必要なことなのではないかと思っています。