川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

金融と広告

レスポンス型のインターネット広告に『派手な企画力』はいりません。必要なのは、『運用する能力』です

広告代理店マンはクライアントへ媒体を売り込むセールスマンになるのではなく、ファンドマネージャーのような存在になること。『投資をどう運用していったらクライアントのROIを最大化できるか』を徹底的に追及するという、証券マンに近い感覚が絶対に必要だと個人的には思っています

ADKの加藤 公一レオさんがMarkeZineのインタビューで語った言葉です。とてもよく理解できます。

ファンドマネージャーという人たちを考えてみます。

ファンドマネージャーは投資家からお金を預かり債券や株式などでポートフォリオを組み運用します。投資家がリターンを大きく求めるなら株式の割合を増やす。その代わりリスクは高くなる。リスクが小さくなれば債券を増やしていく。

ファンドマネージャーはリターンを大きくする、リスクを小さくする等の理由からポートフォリオを変えていきます。債券の割合を減らして株式の割合を増やす。株式でも債券でもパフォーマンスが悪化しているものは売却し、今後成長が見込まれるものを買っていく。

債券や株といった金融商品が市場で広く扱われ市場には参加者がいて価格が変化し需要と供給のバランスで決まっていく

ファンドマネージャーの仕事は

  1. ポートフォリオの最適化
  2. 債券や株などの価格や関連情報を知る
  3. それらの売却や管理

ということが言えるでしょう。

検索連動型広告においてキャンペーン管理をしている人を考えてみます。

広告原稿を作り、キーワードを買い、広告を出していきます。会員登録を増やすことが目的であれば、なるべく少ない予算でできるだけ多くの登録数を増やしたいと考えます。

そこで会員登録にかかった費用(獲得単価)を下げる努力をします。獲得単価を下げるためにはクリックした後に表示されるページ(ランディングページ)を改善し、会員登録に興味がある人だけがクリックをしてもらうために広告原稿を工夫し、あまり競合がいない単価の安いキーワードを見つけてくるということをしてきます。

つまり獲得単価をチェックしのパフォーマンスを日々改善していく運用が極めて重要な仕事といえるわけです。

検索連動型広告のキャンペーン管理者の仕事は

  1. 広告キャンペーンの最適化
  2. 効果測定
  3. 出稿、停止、改善などキャンペーン管理

と言えます。

こうしてみていくとファンドマネージャーと検索連動型広告のキャンペーン管理者は結構似ているのではないかと思えてきます。

どちらも日々成果が刻々と変化する商品を扱い、その商品点数がとても多い。素早い判断で商品を入れ替え、全体としてパフォーマンスを最大化することが求められる。

ここまで書いて次のようなことを思いました。

質問

どうでしょうか。

可能性

金融の人が広告の方へという流れは進むのだろうか。米国ではそういう動きはあるんだろうか。