川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

『口コミ伝染病―お客がお客を連れてくる実践プログラム』を今更ながら読みました。

実践マーケッター神田さんの『口コミ伝染病』を今頃読んだ。2001年に出版された本ですがまだ読んでいませんでした。

口コミ伝染病―お客がお客を連れてくる実践プログラム

口コミ伝染病―お客がお客を連れてくる実践プログラム

口コミとは

  • お客様の期待を戦略的に下げそれ以上のサービスを提供する。期待と現実のギャップの最大化。劇的な体験の提供。
  • 社員はクレームばかりを聞くよりも喜びの声を聞くほうが数倍やる気になり生き生きと仕事をするようになる。喜びの声を積極的に集めて社内で共有し、社外へと発信する。
  • 製品は「誰とでも話題にできるか」x「複数人数で利用できるか」のかけ算で口コミが生まれる。

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口コミを起こすために全てのポジションで右上を目指して頭を使う。

口コミを伝染させるには

神田さんの書かれた内容を咀嚼して自分なりに解釈するとこんな感じかな。

  • 人が人に教えたくなる物語を作る。物語は覚えやすく人に伝えやすいように作る。
    • 感動して自分を信用してしまうような自分についての物語、会社についての物語、製品についての物語を作る。製品のスペック、仕様に人は感動せず開発の苦労話に感動する。会社も、人も同じこと。
  • 「○○からお友達を救ってあげよう!」が大事。「友達を紹介くださったあなたには○○を、お友達には○○を差し上げます!」はダメ。人に役だっているという感覚が強いモチベーションになる。
    • 例えば「毎日のブログの投稿の面倒くささからお友達を救ってあげよう!」の方が「お友達を紹介くださったあなたには500円を、お友達には300円を差し上げます!」よりも強いメッセージ。
  • 口コミは一部の強力な紹介する人から生まれる。そこでまず最初に過去にお客様を紹介してくれた人、紹介によりお客様になった人、情報発信役となっている人から一五〇人を目安として紹介する人を見つける。
  • その一五〇人に物語を語り、感動してもらう。
  • その人たちがどの商品をどこでどんなきっかけでどのようにしゃべっているかを詳細に分析する。
  • 物語に入る前に商品の二つの特徴を二十秒以内に伝えることができればより良い。
  • 記憶に粘りつくツールを作る。二十秒以内の短い話を核にお客様の声や自分のパーソナルな情報が書かれた小冊子やニュースレターが書かれたツール。名刺大のカードが良い。
  • イベントを開催してみる。上得意客を数人集めてお茶会や昼食会。パワーディナーと称して打ち上げをする。完璧を目指さずまずやってみる。

これまで自分もお客様とお話させていただく中で気にしていた点も入っていました。ですが体系だっていたかといえば経験則みたいなところがあったので本書は中々興味深かったです。

この本にはダイレクトマーケティングを実践している企業の例が豊富で、通販を中心にビジネスをしている方にはそのまま使える方法がたくさん書いてありますので、その分野の方にはとても有益かと。

ネット上のサービスを展開している企業も『「誰とでも話題にできるか」x「複数人数で利用できるか」のかけ算で口コミが生まれる。』という部分においてはあてはまる場合が多いわけで参考になるところもあるのではないでしょうか。

人が話したくなる物語をきちんと作って、その物語を20秒で簡単に話せるトークも用意して、物語の全体が分かるニュースレターや小冊子も用意してというのは、きちんとやれば高い効果がありそうですね。