川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

距離を縮める技術

以前フジテレビの深夜番組で「ニューデザインパラダイス」という番組がありました。身の回りの製品を新しい切り口でデザインし直すという番組でした。

その中で印象に残っているのが地図をデザインするという放送です。

地図は距離で表現されています。定規で二つの場所の間を測れば縮尺に応じてすぐ距離が分かります。

しかしながら今回デザインを任せられた長友啓典さんは距離ではなく時間で地図を表現しました。Googleトランジットによれば東京・大阪間まで3時間弱で行けます。東京・博多間は3時間16分。距離は倍近く離れていますがかかる時間は16分ちょっとしか変わらない。

新幹線や飛行機は大幅に距離を縮める技術と言えるでしょう。物理的には遠いのだけどかかる時間が短縮されれば距離は縮まったように考えられるからです。

そんな話を結構前に考えていたのですが昨日id:ichiyuさんのガイアの夜明けの感想*1を拝見して、冷凍技術もまた異なるアプローチで距離を縮めているのだなぁと感じました。

遠い海で取れた魚をそこで冷凍して東京まで届ける。そうすれば遠い海にいなくとも東京で遠い海にしかいない魚を食べることができる。

先の輸送の革新によって距離を縮めるというアプローチではなく、ある状態を一時停止して距離を縮めるというアプローチが冷凍ということなんだなと。

想像したのは例えば私が東京からリオデジャネイロに行こうと思ったら空路だけで26時間弱。しかしもし私が冷凍されてうまいこと現地で解凍してくれたら私が感じる時間はほとんどゼロということになるのかもしれない。私にとってもストレスが無いし健康な状態でリオのカーニバルを満喫できるかもしれない。

旅はその過程を楽しむためにある、の真逆ですがそんな想像をしました。