メディチ・インパクト
メディチ・インパクト (Harvard business school press)
- 作者: フランス・ヨハンソン,幾島幸子
- 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
- 発売日: 2005/11/26
- メディア: 単行本
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異なる分野や学問、文化が交差する場では、既存の概念をさまざまに組み合わせて新しい非凡なアイデアを数多く生み出すことができる。
ことを主張しています。題名に「メディチ」があるのは十五世紀のイタリアでメディチ家がルネッサンスで上記の役割を果たしたことからとっています。
この本は、創造性をどのように育んだら良いのかを幾つかの興味深い事例と共に紹介しています。
その中で、明日からできる方法をピックアップしてみます。
先入観で凝り固まった頭をほぐす方法
- 今取り組んでいる問題に関連する商品やコンセプトを思い浮かべて文章にする
- 連想した事柄を紙に書き、それを逆転させる
- 逆転した内容をどうやって実現するか考える
具体的に本の中で取り上げられている例は「レストランを開きたいが、他の店に差をつける面白いアイデアがでてこない」ケース。そんなとき、
- レストランにはメニューがある
- レストランの食べ物は有料である
- レストランは食べ物を出す
の次に
- レストランにはメニューがない
- レストランの食べ物は無料である
- レストランは食べ物を出さない
と逆転させ、この逆転させたことをどうやったら実現できるかを考えてみます。
答えの一例としては、
- メニューが無い場合には、シェフのお任せしかない
- 無料なのは場所代として運営しているレストランだから
- 食べ物は出さず、場所代を取っている
みたいにすれば実現できるかもしれないという具合です。
創造性を発揮するチームの人材採用方法について
- 自分を居心地悪くさせる人間、違和感を覚える人間、さらには好きになれない人間を採用する。
- 企業は必要でない人材(その時点で必要ではない人間)を採用する。既存の業務を果たすために採用されたのではない無い人ほど新しいことをやってくれる。
異質なバックグラウンドを持つ人間を採用することによって、組み合わせを多くすることができるということ。似たような人間の場合、おのおのたとえば12のアイデアがあっても似ているがゆえに5かぶっていると7x7で49のアイデアしかうまれない。だがバックグラウンドが異なる人間のばあい、12x12で144と相当生まれるアイデアの数に差がでる。
なんの関係もないところに関係を見出す訓練
筆者はこれを「交差点ハンティング」と呼び
- 結びつきがありそうもない場所にそれを探し、見つかった結びつきが何をもたらすかを明らかにすること
としています。たとえば江戸川乱歩は、筋書きを考える際に辞書から無作為に2,3の言葉を選び出しどうやったらその言葉を結びつけられるかを考えてうまくいけば執筆し、失敗しならまた2,3を選んで結びつけていたそうです。日常生活では普段読まない雑誌を2,3買って、適当なページを開いて自分の課題と強引に結びつけようとしてみることも良いとしています。
さっそく明日から実践してみることにします。