川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

evhead: Ten Rules for Web Startupsの訳

元Pyra、現OdeoのEvan Williamsが語るスタートアップ10の心得「evhead: Ten Rules for Web Startups」訳してみた。

Dave's Blog: Web系Startupの10の心構えで一部訳されていたのでそれを参考にしつつ。

1 Be Narrow(フォーカスして)

可能な限り小さな課題に焦点を当てたほうがいい。多くの企業はやりきれない程多くのことに取り組もうとするが、それは物事を複雑にすることになる。小さな課題に絞れば、ずっとすくない作業で、自分がやったことにおいて最高の結果が得られる。(小さな課題に)焦点を当てた場合、自分が考えているよりも大きな見返りになってかえってくる。より焦点を絞ったときに、ポジショニングが楽になる。提携する、買収されるといった時にも衝突が少なくなる。(中略)もし自分の分野で一番になりたいのなら、たとえ自分の分野がすごく小さくても、分野は広げることができるし、レバレッジを効かせることができる。

2 Be Different(違いを意識して)

アイデアはどこにでも漂っている。あなたと同じアイデアに取り組んでいる人は多分大勢いる。その人はグーグルにいるかもしれない。折り合いをつけよう。どうやって?まずは、あるプレイヤーに限定された十分に興味深い分野などないということを理解すること。ある意味、競争があるということは、新しい市場があるということを(投資家とかに)分からせる*1には良いことなんだから。次に、分野で一番のスペシャリストはいつも何でも屋のケツを蹴るようになる。三番目、先端的な分野じゃない何かをやることを考えること。たくさんの大成功した企業はみんなが考えていることや分野に取り組んで成功を収めてきている。(中略)命名においてのよくやる間違いは、説明しすぎで、すごく分かりにくい名前になっていること。ブログサービスを提供している企業は、自分たちの名前に「ブログ」がはいってるし、RSSの会社は「フィード」、ポッドキャスティングの会社は「ポッド」や「キャスト」など。

3 Be Casual(カジュアルに)

私たちは今まさに私が「カジュアル・ウェブ」世紀と呼ぶところに向かっている(加えてカジュアルなコンテンツ作成)。カジュアル・ウェブは、趣味人ウェブや専門職ウェブよりも大きい。なぜなら、人が生活しているからだし、ブロードバンドで生活してるから。(以下略)

4 Be Picky(こだわって)

(中略)グーグルの最大の強みの一つ、そして外部の人間の最大の不満は、機会、簡単に金を稼ぐこと、潜在的な従業員、取引に対して積極的にノーといえることだ。

5 Be User-Centric(ユーザセントリックに)

ユーザー体験こそ全て。(中略)もしユーザーセントリックな設計を知らないなら、勉強すべし。知る人を採用すべし。とりつかれるべし。熱中するべし。会社全体を巻き込むべし。百回繰り返すのは、もう百回加えるよりもいい。Ajaxのポイントは、サイトがより反応が良くなるからであり、セクシーだからではない。タグは検索と分類を簡単にする。APIのポイントは開発者がユーザーに価値を追加できるからであり、ギークに印象を与えることではない。技術、次世代機能のブログ財産*2によって脇道にそれてはならない。いつもユーザーに焦点を当てれば、全て順調にいく。

6 Be Self-Centered(自分本位で)

自分のかゆいところに手が届せようとして偉大な製品が生まれる。世の中に生み出したい何かを作れ。自分の製品のユーザーになれ。自分の製品のユーザーを雇え。自分の欲求に従うことは良いことだ。(以下略)

7 Be Greedy(貪欲に)

選択肢を持つことは、常によいことだ。最高の方法のうちの1つは、収入を持っていること。(中略)製品に料金を請求する何かを設計して、6ヵ月(PayPalで請求)以内でお金をとり始めるべし。うまくやれば、請求した金は成長を加速させる。マーケティング経費にもこれを回せる。もっと重要なのは目の前に金があることで、資金調達の次の段階や、買収交渉の際にあなたは強い立場に立つことができるということだ。TypePadのアプローチは、市場でハイエンドのポジションをとっているのだが、適切な市場で素晴らしいビジネスモデルを発揮する。少ないサポートで、スケーラビリティの心配をあまりする必要なく、悪用も少なく、高い利益率がある。

8 Be Tiny(小さく始めて)

ここ英文難しい。。。言いたいのは

  • 企業が小さければ買収はずっと簡単になる。小さくいることが大事。

ということか。

9 Be Agile(素早く)

「過去失敗したドットコムバブル時代の会社の多くは、当初の想定に従って全速力で資金を使い果たすまで突っ走るのではなく、もし事業計画を見直して変更していたら成功していたかも知れない。PyraはBloggerを(最初から)開発していたわけではなく、最初はプロジェクト管理ソフトを作っていた。Flickrはゲームを作っていたし、eBayはオークションソフトウェアの販売をしようとしていた。当初の想定とは、ほとんどいつも間違っているものである。なので、ウォーターフォール(モデル)のソフトウェア開発方法論はAgile開発方法論と比べて時代遅れ。同じことは会社を作る時にも言える。」

10 Be Balanced(バランス感覚を持とう)

かすみ目、ジャンクフード漬け、壁にボールを投げつける日々、睡眠不足、カフェイン漬け、関係に疲れる夜が無いスタートアップとはなんぞや?その答えは、もっとだいぶ楽しい職場。そう、高いレベルのコミットメントが重要。ああ、試練の時が訪れて、時たま過度な、苦痛を伴う、わびを入れたくなるほどの量の仕事が必要となる。だけどいつまでもそれは続かない。(中略)GTDプロセスを学ぼう。

11 Be Wary(注意!)

ビジネス「規則」の一般化しすぎられたリストは、あまり文字通りとらえてはだめ。例外は常にある。

お願い

誤訳ありましたら是非お知らせください。自信ねぇー。

*1:正当化する

*2:the blog-worthiness