川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

Googleが紙メディア取り込みで金稼ぎ?

http://www.siliconbeat.com/entries/2004/12/10/googles_plans_to_cash_in_on_news.html

小さなニュースかもしれないが、Googleがなぜこの特許を取ったのかを分析してみると面白い。

特許内容は

But the application illuminates possible plans by the Mountain View, Calif.-based search leader to enable search of printed material, offer pay-per-view documents, scanned documents with clickable ads and even the ability for print publishers to swap out ads in digital copies of their printed pages.

要約すると

  • 紙メディアの検索を可能にし、
  • 見た分だけ課金(pey per view)の文書を提供し
  • クリック可能な広告を持つ取り込まれた文書を提供する。
  • これを実現するために紙の文書をスキャンし、紙における広告部分を、消し去る

となる。

これを考えるに

  • 雑誌をスキャンで取り込む
  • 内容をテキスト化し
  • 広告が埋まっていた部分を削除
  • その該当部分にAdSense挿入

ということがしたいのだろう。

これを踏まえてGoogleの狙いとしては、大きく分けて二点あると考えられる。

(1)オンライン文書を拡大することによるクエリーの増加。それに伴うAdWords売上拡大。
オンライン文書が増える>検索ニーズが高まる>検索市場で強いのはGoogle>検索クエリに応じて表示される広告がAdWords>収益拡大

(2)出版事業者のオンライン進出を手助けし、AdSenseを提供。AdSense関連売上拡大。

既存の書籍、雑誌社はインターネット広告を収益としてみていない。だからリアルに出版し、広告予算をかけている。このモデルを破壊しない限り、収益を拡大することはできない。

既存の書籍、雑誌社がインターネット広告で収益を上げるための仕組みをGoogleで提供することができるのは、AdSense並びに検索ボックスをつけてAdWordsの折半。
これによって、事業者はインターネットにコンテンツを載せる動機ができる。

以上二点から、

  • Googleが取り込みに関してコストをかけても、ペイできる
  • Google的には、取り込みコストがなしでもいいくらいだが、これをちょっとだけとってキャッシュを確保し、媒体も増やすというのが策

というところを落としどころに戦略を実行してくるはず。