川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

はてなに入ります

先日のはてなオフ会vol.1で発表になりましたが、8月1日よりはてなで新スタッフとして参加します。はてなはプライベートモードでずっと使ってきましたが、入社前に試しに最後の「純粋ユーザー期間」として準備もかねて日記を書いてみようと思います。

私は
http://nkcp.zive.net/yublog/archives/003002.html
にあるような経歴を積んできました。

前職を6月25日で退職し、今後のインターネットで起こることを色々な方々と議論する機会を作ってきました。議論を重ねるうちに、自分がインターネットでやりたいことが徐々に浮かびあがってきました。それは、

  1. 「インターネットを通じてひとが手軽に気兼ねなく情報を簡単に発信することができ、発信された情報は適切に簡単にそれを求める人にたどり着く」
  2. 「ひとは情報を発信することで収益を上げることができる」
  3. 「企業はひとが簡単に情報発信できるように、情報を見つけることができるようにお手伝いをする」

というものです。

1に関しては、日記ツールやBlogツールは情報発信をすごく簡単なものにしました。そして、RSSRSSリーダーによって、情報の要約を手に入れることができ、より多くの情報をより短い時間で得ることができるようになっています。bloglinesのようなサービスを使えばブラウザ一つあればOKです。
昨今のBlogブームによる利用者の裾野の広がりにより、サービス事業車間の競争が激しくなり、差別化を行うためにサービス自体も多様化してきていることから、サービスは利用者にとってより使いやすく、より便利なものになっていくと思います。

2に関しては、一方で残念ながら、人がインターネットを介して収益を上げる手段となると数が少なくなってしまいます。アフィリエイト、バナー広告、テキスト広告といったものが多くの場合、利用されることになります。アフィリエイトは、個人が何らかの商品やサービスをウェブサイトを訪れた第三者に対しておすすめすることで商品を販売、販売した金額に応じて数%の利益を得るというものです。この結果、収益の最大化を狙う場合発信する情報を商品やサービスの利益となることしか書けないことになります。これでは、情報がゆがんでしまいます。

バナー広告の場合は、単純にウェブサイトの見た目が良くないですし、適切な広告が表示されないことも多いです。広告は訪問者が注意をそちらに向けなくてはその意味が無く、更に言えばクリックしてもらわなければ意味が無いといえます。バナーの場合には広告とコンテンツの関連性が低くクリック率がさほど高くないという問題があります。

テキスト広告は、昨今OvertureやGoogleによって隆盛を極めている広告手段です。これは、GoogleAdsenseのように検索語と検索結果に応じて、テキスト広告を表示するというものであり、検索する言葉は利用者が検索結果として求めているわけですから、この言葉に応じてテキスト広告が表示されれば関連性が高いことになります。ゆえに、テキスト広告のクリック率が高くなり、広告としての価値が高いことになるわけです。その他にAdsenseのように、ウェブサイトの情報の中身を見て、その情報に適合するテキスト広告を出すタイプもあります。これは、先の検索結果に基づいた広告表示よりは、クリック率は落ちますが、コンテンツの内容と関連した広告であるためそこそこ高いクリック率となります。

このようにひとが情報を発信することで、サービスやその他のツールがその情報の価値を判断し収益に結びつけるような仕組みが生まれつつありますが、まだまだ始まったばかりだと考えています。インターネットが、今後も成長を続ける過程において、インターネット関連の企業だけではなく、個人も収益を上げていくことが肝心だと考えています。ゆえに、私はこの分野で仕事がしたいと考えるようになりました。

3に関しては、企業は、このひとが情報発信で収益を上げるために手助けをすることによって、発展を遂げることができると思います。ある一握りのビジネスセンスのある技術者が自ら作ったツールで限定的に収益を上げるというのが現在の姿なのかもしれません。その反面、個人に依存した開発というものは個人の活動上の制限を受けることもあります。企業はツールの作成を持続的に行い、収益を上げ、収益の中からまた再生産に資金を投入するという流れを作り出すことを組織的に行うことができるはずです。

以上3点が自分が今後進むべき方向性であり、この方向性と共通する部分が多い企業はどこだろうかと考えていました。

そんな中である業界の集まりで最初に近藤さんに会い、何回か話すうちにはてなに可能性を感じたというわけです。

大きい理由は

  • 社長の近藤およびスタッフの人柄
  • はてなのツールとしての面白さ
  • はてなのコミュニティとしての面白さ

というところです。

はてなに決めた簡単な流れは以上です。

2ヶ月にわたる無職期間、様々なアドバイスを下さった多くの方に感謝をあらわすとともに、今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。