川崎裕一 / マネタイズおじさん

元起業家でスタートアップのコーチやってます。スマートニュース株式会社執行役員。

自社サイトが中小ポータルよりもトラフィックを持つ企業のネット広告戦略とは

ネットメディアがコンテンツを売る必要性 - 業界人間ベムに反応。

自社サイトが中小ポータルよりもずっとトラフィックが多い企業は珍しくない。そういう企業の場合自社サイトをより充実させ見込み客をしっかり自社で抱えるというのは正しい。

一方自社サイトのトラフィックが多くなく製品が売れることだけを目的にしている場合にはCPA重視の方法をとる。アフィリエイトに投資をして多くのアフィリエイトサイトをアフィリエイト参加者を代理店として使うことで大量に作る。自社のサイトはそれを補足する程度の投資で良いと考える。

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Webを主要メディアとするブランデッドコンテンツ展開にも、コンテンツプロバイダーとしてのWebメディアの力を利用すべきであるのは間違いない。逆にいうとWebメディアはスペースだけ売るのではなく、誘導力付きのコンテンツを広告主に売る努力が要る。

これは例えばはてなの場合、タグやキーワードで分類された記事にはてなならではの指標として含む日記数、ブックマーク数や、RSS購読者数等を追加したものとして利用してもらう。そうすることでコンテンツ(この場合は記事)のトラフィックが増えるという付加価値も提供できるかもしれない。

当たり前の話なのだけど重ねて言うと

  1. 企業の中には自社サイトで多くのUUを抱えているところも増えている。
  2. 広告主でも自社サイトにパワーをかけるタイプ、成約を最大化するタイプなど様々。それに応じて使う方法も変える必要がある。

ということ。一番目のことが忘れられがち。

電通と博報堂DYのインターネット広告への取り組みをグラフにしてみる

ここここに影響を受けて、大手広告代理店二社がインターネット広告にどんな感じで取り組んでいるのかを数字で見たくなったので公開情報を元にざっくりグラフにしてみようと思い立ちました。

2007年1月から2007年12月までで比較実行。

まずインターネット広告売上。単位は億円。
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次に売上全体に占めるインターネット広告売上の割合。
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さてこれをどう読むか。

二社とも一年という短い間にじわじわインターネット広告の取り扱いを増やしている傾向は見て取れます。

博報堂DYはコンスタントに1.5%を超え2%も見えてきており、依存度グラフで電通に抜かれたのは三回だけ。そこだけを見ればインターネット広告への取り組みに積極的と言えるかもしれない。

インターネット広告の取り扱いの金額では電通は博報堂DYの1.5倍弱。しかし広告全体の売上では1.7倍の開きがあることから見てこちらも博報堂DYが積極的と言えるかもしれない。とはいえ金額では年112億円の差があるということは無視できない事実ですね。